新しい経験が重要な理由、そしてそれが時間の概念に与える影響について


大人になるにつれて、時間の流れは早くなり、物事に新鮮味を感じなくなります。
これは「体感的になんとなくそんな気がする」というのではなく、脳が情報を処理する方法の結果なのです。
歳をとるにつれ、新しい経験というのは特に重要になってきます。
なぜなら、新しい経験は処理するのに時間がかかり、それによって時間の経過を遅くする効果があるからです。
どういうことでしょう。
その仕組を見ていきましょう。



秒針のあるどこにでもある時計。
あれ見かけだけのただの幻想です。
時間は常に前へ前へ、一定の速度で進み、失われることのないもの。
私たちは時間をそんなふうに捉えていますが、私たちの脳内では、時間は違った原理で流れています。
脳が新しい情報を受け取ったとき、それらの情報はバラバラの順序で脳内へと入ってきます。
脳はこれらの情報を正しく理解するため、情報を正しく並び替える必要があるのです。
一方、新しくない、いつも接している情報が脳内に入ってきた時は、処理にほとんど時間がかかりません。
しかし、新しい情報はゆっくりと処理されるため、時間が引き伸ばされて感じられるのです。
脳の時間の捉え方について研究している神経学者のDavid Eaglemanはこの原理が私たちが歳をへるごとに時間の経過を早く感じるという現象を説明すると主張しています。
彼がNew Yorkerに書いた記事に詳細が記されているので、紹介しましょう。

「これがなぜ私たちが歳をとると時間が早く進むように感じるのかということを説明しています」。Eaglemanは「なぜ小学校の時の夏休みが永遠に感じられる一方で、歳をとるとちょっとうたた寝している間に一瞬で時が流れるのか」ということに対してこのように話しています。
世界が身近でありふれたものになるにつれて脳が処理する情報量は減り、時間がより早く過ぎ去るように感じるのです。
「時間はこのように不確かなものなのです。脳をフル稼働している時は時間が伸び、『ああ、これ知ってるよ。すべては予想した通りだ』などと言っていると、縮むのです。


子供のころ、もっと時間が早く経ってくれたらいいのに…と思うことがよくありました。早く学校が終わって遊びたい!と思っている時なんて特に。
ところが歳をとるにつれて、残された楽しむべき人生の時間が愛おしく感じ、もっと時間がゆっくりと流れてくれたらいいのに…と思うようになります。
しかし、問題の根幹は私たちの年齢ではないのです。
問題はありふれた情報を処理し続けることなのです。
もし今までに触れたことのない情報に接することで時間の経過を遅らせることができるのだとしたら、頻繁に新しい情報を取り入れることで時間が縮むことを防ぐことができそうです。

まだまだ脳について解明されなければならないことはたくさんありますが、新しいことに挑戦し続けることで私たちが人生を長く感じ、精一杯生きることができるのだとしたら、それは十分に価値のある挑戦と言えるでしょう。


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(元ネタ http://lifehacker.com/5802583/why-new-experiences-are-important-and-positively-affect-your-perception-of-time?tag=brain


なぜ歳をとると一年があっという間に過ぎていくのか。
その理由の一つとして、こんなことがあったのですね!
そう考えると、やはり常に色んなことに興味を持って新しいことを知ろうとしたり、挑戦し続けるっていうのは大事ですね。
好奇心旺盛な子供の心を忘れないようにしたいものです。