トランス脂肪酸の脅威

今日は「トランス脂肪酸」についてまとめてみようと思います。

トランス脂肪酸は取りすぎると様々な健康被害をもたらすことがわかっています。

そしてそのトランス脂肪酸は身近な食品に含まれており、知らない間に摂取しているものです。

今回はそのトランス脂肪酸について危険度も含めて知ってもらえたらと思います。


トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は自然の植物油や動物油にはほとんど含まれていません。

トランス脂肪酸は人工的に合成して作られます。

そしてマーガリンやショートニングの材料として使われています。

食品としては、市販されているマーガリンそのものや、ファーストフードのフライドポテト、菓子、パン、クッキーなどに多く含まれています。


トランス脂肪酸の人体への影響

トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させるだけでなく、善玉コレステロールを減らし、動脈硬化の危険性を上げることが報告されています。

また、血糖値を下げる働きのあるインスリンというホルモンの効きを悪くして、糖尿病発症の危険性を高めるという研究結果もあります。


世界での規制

このような危険性を持った油であるトランス脂肪酸は世界中で規制しようという動きが高まっています。

ヨーロッパでは、マーガリンはトランス脂肪酸を減らうようにしていますし、アメリカではトランス脂肪酸の使用量を制限する条例があります。

また様々な国で食品の表示にトランス脂肪酸の含有量を義務つけることが行われています。

しかし、その中で日本ではまだまだそのような国での動きは見られません。

日本のトランス脂肪酸対策は遅れているといえるでしょう。

ただ、少し前にCMで目にされた方もいるかと思いますが、ミスタードーナツでは2007年12月より、使う油を変えたり、原材料を見直すということを行いました。

これにより大量のトランス脂肪酸を削減することに成功したそうです。

ケンタッキーやスターバックスでもアメリカの店舗では油を取り替えるなどの処置を行っているのですが、日本の店舗では以前、トランス脂肪酸を含む従来の油を続けて使用している店舗が多いそうです。

早く日本でもトランス脂肪酸の削減を進めるべきだと思いますね。


バターとマーガリン、どっちがいいか?

バターはマーガリンに比べて飽和脂肪酸を多く含んでいます。

飽和脂肪酸コレステロールを上昇させる原因になるものです。

マーガリンでは飽和脂肪酸の割合が20%であるのに対し、バターでは62%にも上ります。

これだけ見ると、マーガリンの方が健康に良さそうです。

しかし、ここまで読んでくださったみなさんはおわかりだと思いますが、マーガリンにはトランス脂肪酸が含まれています。

トランス脂肪酸は自然界にはそれほど多く存在する物質ではありません。

そしてそれが人体にどのような影響を与えるのか、まだその全容が解明されたとは言えない状況なのではないでしょうか。

このような状態では、なかなか安心してマーガリンを使うことができないような気がします。

まあ、といっても日本でのトランス脂肪酸摂取量は少ないと言われているので、直ちに健康に被害をもたらすものではないのかもしれませんがw

しかし、偏った食事をしていると間違いなくトランス脂肪酸の摂取量は多くなるので、一概に安全とも言えないように思います。

早く日本でもトランス脂肪酸の表記などが義務化され、より安心して食品を選べるようにならないといけませんね。


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参考文献

●「よくわかる栄養学の基本としくみ」中屋豊著 秀和システム
Wikipediaトランス脂肪酸

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